騎乗予定・調教分析

武豊騎手、京都からJBCへ。シグレの再出発と新馬3頭、騎乗予定8頭の現在地

2026-10-2610月31日・11月1日 京都/11月3日 金沢JBC

シグレの重賞挑戦、新馬3頭、京都実績が光るスマートワイス、JBCのメモリアカフェ。騎乗予定8頭のプロフィール・戦績・中間調教を整理し、最終追いで見たい点を解説します。

菊花賞の次も、楽しみな馬がそろった。10月31日・11月1日の京都では、シグレの重賞挑戦と3頭のデビュー。11月3日の金沢では、メモリアカフェとのコンビが予定されている。

今回、特に注目したいのは、シグレの折り合いの進歩、新馬マジカルブラックの終い、スマートワイスの京都替わり。そしてメモリアカフェが1500メートルの流れをどう走るかだ。

10月26日夜時点の騎乗予定と、25日までに確認できる中間調教による展望。出走・騎乗は変更の可能性があり、今週の最終追い切りや枠順は今後の確認材料となる。

騎乗予定と注目点

日程・競馬場 レース・条件 予定馬 今回の注目点
10/31(土)京都5R 2歳新馬・芝2000m オーバーアゲイン 長めの乗り込みと、初戦の折り合い
10/31(土)京都6R 2歳新馬・ダ1400m スターシーカー 追走調教でかけた負荷を実戦へ
10/31(土)京都10R ハロウィンS・ダ1900m アークドール 脚をためる形と、直線の進路
10/31(土)京都11R ファンタジーS・芝外1400m シグレ 距離延長と折り合いの進歩
11/1(日)京都1R 2歳未勝利・牝・ダ1400m ルージュミスティカ 同条件2戦目で追走が楽になるか
11/1(日)京都6R 2歳新馬・ダ1800m マジカルブラック 終いの反応を初戦で生かせるか
11/1(日)京都11R まほろばS・芝外1600m スマートワイス 得意の京都で休養明けの巻き返し
11/3(祝・火)金沢 JBCレディスクラシック・ダ1500m メモリアカフェ 重賞3連勝の地力と距離短縮への対応

レース条件はJRA・10月31日の番組、11月1日の番組、JBC公式で確認。メモリアカフェは選定馬で、武豊騎手が騎乗予定。JBCの枠順は10月30日発表予定となっている。出走予定馬

シグレ:速さを抑えて、1400メートルまで運ぶ

牝2歳、栗東・武英智厩舎。父Twirling Candy、母Ferdinanda、母父Giant's Causeway。2戦1勝。

函館の新馬戦は芝1200メートルを逃げ切り、2着に1秒0差。次の函館2歳Sは重馬場で5着、勝ち馬から0秒4差だった。武豊騎手は当時、他馬に並ばれて力んだことと、馬場に脚を取られたことを振り返っている。

今回の1400メートルで見たいのは、速さの上積みより、速さを必要なところまで温存できるか。周囲に馬がいてもリズムを保てれば、新馬戦で見せたスピードを直線まで残せる。

中間は10月17日に栗東CWで7F97秒1、6F80秒5、1F12秒0。強めに追われ、オーバーアゲインを0秒6追走して0秒1遅れた。21日は半マイル50秒4、3F36秒1、1F11秒6を馬なり。二歳未勝利馬を追走して0秒3先着している。

長めに負荷をかけた後、短い区間を馬なりでまとめた流れは好材料。17日の追走負荷と、21日の余力を残した先着をセットで評価したい。

巻き返し候補として注目。最終追いと当日は、折り合い・テンション・芝の状態を確認したい。

オーバーアゲイン:長い区間を重ねてきた新馬

牝2歳、栗東・武英智厩舎。父キタサンブラック、母ゼスト、母父Tapit。ロードホースクラブの所有馬で、今回が初出走となる。

この馬の特徴は、長めからの乗り込み量。10月3日、10日、17日とCWで7Fから時計を出した。10日は6F79秒8を一杯、17日は6F80秒9を強めで消化。17日はシグレに先着しているが、こちらが0秒6先行した組み合わせだ。

21日は坂路で馬なりの追走先着。24日は重馬場の坂路で4F55秒0、1F12秒8を馬なりでまとめ、新馬と追走同入だった。

芝2000メートルの初戦へ、長めの負荷を積み重ねてきた点を評価する。 本番では序盤の折り合いと、馬群の中でも走るリズムを保てるかを見たい。

スターシーカー:追走して負荷をかけたダート新馬

牡2歳、栗東・吉岡辰弥厩舎。父Life Is Good、母アストロロジカル、母父Malibu Moon。インゼルレーシングの所有馬で、初戦はダート1400メートルの予定。

10月18日はCWで6F83秒5、1F11秒9。ゴール前を一杯に追い、新馬と同入、古馬1勝クラスに0秒1先着。24日は重馬場の坂路で4F53秒3、1F12秒7を一杯に追った。古馬2勝クラスを2秒3追走し、アタマだけ先着している。

注目は、コースと坂路の両方で追走する負荷を経験していること。24日は馬なりの相手を、自身は一杯に追って追い上げた。負荷を消化し、最後まで相手に並びかけた過程を買いたい。

初戦で確認したいのは、ゲートから流れに乗れるかと、砂を受けた時の反応。直前の追い切りでは、強く追った後も動きが整っているかが焦点になる。

アークドール:1900メートルで末脚を引き出したい

牡5歳、栗東・松永幹夫厩舎。父Golden Horn、母L'Arc、母父Deep Impact。通算28戦3勝で、3勝はいずれもダート。

春は武豊騎手とのコンビで、阪神の1勝クラスを勝ち、京都の2勝クラス3着を挟んで中ノ岳特別を制した。中ノ岳特別は道中最後方から上がり36秒9で差し切り。武豊騎手も当時、ゆったりした流れで発揮した決め手を評価していた。

その後は姫路S13着、古町S9着。古町Sは勝ち馬と0秒7差で、今回の立て直しで見たいのは、後方からの脚をどこで使うかだ。

中間は坂路中心。10月21日は4F57秒1、2F26秒0、1F12秒7で末一杯。最後の2Fを区間に分けると13秒3から12秒7で、終いへ重点を置いた内容だった。中ノ岳特別を勝った時の最終追いは4F55秒6、1F12秒8を一杯。今回は全体を抑え、最後に脚を使う組み立てになっている。

ダート2400メートルでも3着が2回あり、距離の経験は幅広い。1900メートルで急がず脚をため、直線で進路を確保できる形に注目する。 距離延長だけで評価を決めず、相手の先行力と枠順まで見て判断したい。

ルージュミスティカ:同じ条件で、序盤の追走が変わるか

牝2歳、栗東・大久保龍志厩舎。父マインドユアビスケッツ、母メジャーマジック、母父ダイワメジャー。

10月11日の京都ダート1400メートル新馬戦は7番人気で3着。9番手、8番手の通過から伸び、勝ち馬と0秒5差だった。幸騎手は当時、序盤はすぐに動けなかったが途中から走る気を見せ、使って良くなりそうだと話している。

10月22日は坂路4F55秒6、1F12秒8を末強め。古馬2勝クラスに0秒5先行してクビ遅れ。前走前の4F53秒0・1F12秒7を一杯という内容より、全体の負荷は抑えられている。

期待したい変化は、初戦より早い段階で流れに乗れること。 調教時計の派手さより、同じ京都1400メートルを経験した効果を重く見たい。最終追いで促されてからの反応が整えば、初勝利へ期待が膨らむ。

マジカルブラック:新馬3頭で、終いの反応が気になる一頭

牡2歳、栗東・角田晃一厩舎。父モズアスコット、母ピエドラデルーナ、母父キタサンブラック。母の母はスイープトウショウという血統だ。ダート1800メートルでのデビューが予定される。

10月16日はCWで6F82秒1、3F37秒2、1F12秒0を馬なり。外を回って新馬を0秒3追走し、0秒1先着した。23日は6F85秒7、3F37秒2、1F11秒2でゴール前仕掛け。

後者は全体を3秒6抑え、直線の反応へ重点を移した内容と読める。終い11秒2は、ゆったり入ってゴール前に仕掛けた時の数字。長めを馬なりで走る日と、終いを伸ばす日。二つの異なる負荷を経験したことが魅力になる。

新馬3頭の中では、終いの反応という切り口で特に気になる。実戦では砂を受ける場面やコーナーでもリズムを保ち、最後の脚へつなげられるかを見たい。

スマートワイス:京都7戦4勝の舞台へ戻る

牡5歳、栗東・大久保龍志厩舎。父ロードカナロア、母スマートレイアー、母父ディープインパクト。14戦4勝・2着4回。

京都芝では7戦4勝、2着2回、4着1回。今回と同じ京都芝1600メートルでは3戦2勝、4着1回で、コース実績は大きな魅力だ。今年の渡月橋Sでは3番手から上がり33秒9で抜け出し、0秒2差で勝っている。

前走しらさぎSは16着。川田騎手は当時、返し馬の段階から苦しさを感じた趣旨を話していた。ここから約4か月ぶりの復帰となる。

10月9日は坂路4F51秒6を強め。15日はCW6F86秒3、1F12秒9を馬なり、22日は6F84秒0、1F11秒5を強めに追った。22日は外の9番を通り、アウトレンジに1秒0先行して同入している。

日付を追うと負荷を進めていることが分かる。速い時計が出る馬でもあるので、得意の京都へ戻る実績面と、休養明けの動きが整う過程をセットで評価したい。 最終追いと当日の返し馬で、気持ちよく走れる状態かを見届けたい。

メモリアカフェ:金沢1500メートルで問われる位置取り

牝4歳、美浦・柄崎将寿厩舎。父ナダル、母ルミエールカフェ、母父マンハッタンカフェ。9戦6勝、2着2回、3着1回。すべて3着以内という安定した戦績を持つ。

今年は兵庫女王盃、エンプレス杯、レディスプレリュードを3連勝。前走は大井1800メートルで4番手から進め、2着に0秒7差をつけた。今回は武豊騎手との初コンビが予定される。選定馬名簿にも騎乗予定騎手として記載されている。金沢競馬・選定馬発表

今回の焦点は1500メートルへの短縮。東京ダート1400メートルの新馬戦で2着、1600メートルの1勝クラスで勝っており、短めの距離にも実績がある。そのうえで、金沢で流れに乗りながら持続力を出す位置を取れるかが重要になる。

中間は美浦Wで馬なりの調整。10月21日は5F70秒7、1F12秒5、25日は6F89秒8、1F12秒1。前走前の6F83秒1・1F11秒5より全体を抑えており、レースを使った後の調整段階として読める。

現時点では実績への期待が大きい。調教は今後の負荷と反応を追い、枠順が出たら序盤の位置取りを具体的に考えたい。 前走から本番までは28日。速い時計がまだ少ないという理由だけで、状態を下げて見る段階ではない。

今週の見どころ

  • 重賞の巻き返し:シグレ。 1400メートルで速さをためられるか。
  • 新馬の注目:マジカルブラック。 終いの反応を実戦へつなげられるか。
  • 同条件の前進:ルージュミスティカ。 2戦目で追走が楽になるか。
  • コース替わり:スマートワイス。 京都実績を生かす状態へ戻るか。
  • 次の大舞台:メモリアカフェ。 1500メートルで武豊騎手がどの位置を選ぶか。

スターシーカーの負荷、オーバーアゲインの乗り込み、アークドールの末脚も、それぞれ違う楽しみがある。次は最終追い切りと枠順を加え、各馬の「走りたい形」が作れそうかを見ていく。

調教時計・併せ内容:オーバーアゲイン、スターシーカー、アークドール、シグレ、ルージュミスティカ、マジカルブラック、スマートワイス、メモリアカフェ。時計は10月26日夜確認時点。