武豊・調教分析

武豊騎手・週末11頭の調教分析|菊花賞ゴーイントゥスカイの仕上げ、新馬2頭の変化とガイアメンテ

2026-10-232026年10月24日・25日 京都

週末11頭の最終調教を前週・好走時と比較。ゴーイントゥスカイの水曜坂路と木曜ウッド、新馬2頭の違い、ガイアメンテの負荷配分を詳しく読みます。

2026年10月23日|10月24日・25日 京都の騎乗予定馬11頭

新馬の気配ならスマートピナクル、最終追いの変化ならスリーアイアトラス。古馬ではガイアメンテの仕上げ方に注目したい。菊花賞のゴーイントゥスカイは、前週に負荷をかけ、今週は馬なりで整えてきた。

今回は土曜6頭、日曜5頭の調教を分析する。最終追い切りの時計だけでなく、1週前との役割の違いや、過去に好走した時の調整も合わせて、週末の見どころを整理した。

11頭の調教ポイント一覧

日程・レース馬名最終追いの主な時計評価のポイント
土曜3R・新馬スリーアイアトラス21日 栗CW6F81.0/1F12.1・一杯武豊騎手が乗り、追走して0.7秒先着
土曜5R・牝馬新馬スマートピナクル21日 栗坂4F52.2/1F12.7・馬なりウッドの終いと坂路の全体時計が両立
土曜6R・1勝クラスダイヤモンド今週の新しい日付付き時計の掲載なし中1週。かるめで順調という短評を評価の軸に
土曜9R・なでしこ賞ポッドビート21日 美W5F66.3/1F11.7・馬なり前週の外からの追走先着と今週の余力
土曜10R・長岡京Sサンタンカ21日 栗CW6F85.2/1F11.6・馬なり好走時にも見られる、終いを整える調整
土曜11R・カシオペアSガイアメンテ21日 栗CW6F84.8/1F11.4・馬なり前週一杯から今週は余力。春の勝利時と比較
日曜2R・未勝利メイショウギフト21日 栗坂4F53.7/1F12.2・末強め最後の2Fは12.4→12.2と加速
日曜3R・未勝利シュプレヒコール21日 栗CW6F81.5/1F11.6・強め外めから全体負荷を強化し、先行して先着
日曜9R・萩Sヴァンクライ21日 栗坂4F52.4/1F12.0・一杯前週に続き最終も負荷。追走してクビ遅れ
日曜10R・カノープスSギュルヴィ21日 栗坂4F52.9/1F12.7・末強めウッドで追った後、坂路で仕上げる
日曜11R・菊花賞ゴーイントゥスカイ22日 美W6F84.9/1F11.9・馬なり15日に負荷。21日は坂路、22日がウッドの最終追い

ゴーイントゥスカイ|青葉賞時にもあった、前週に負荷をかけて整える形

最初に菊花賞の主役から。ゴーイントゥスカイは、10月21日水曜日にも坂路で調整している。時計は63秒0、46秒5、30秒3、14秒7で馬なり。続く22日木曜日、荻野極騎手を背に美浦ウッドで6ハロン84秒9、3ハロン37秒8、ラスト11秒9を馬なりで記録した。

「水曜に調教がなかった」のではなく、水曜は坂路、木曜にウッドで最終追いという流れだ。22日はフォルテフィオーレを内から0秒1追走して同入。スロノスには外で0秒5先行し、一杯の相手に0秒6先着している。相手によって先行と追走が違うため、ここは分けて見る。

主な負荷をかけたのは15日。6ハロン82秒5、3ハロン37秒2、ラスト11秒5をゴール前仕掛けでまとめ、フォルテフィオーレに0秒7追走して0秒2先着、スロノスには0秒4追走して0秒6先着した。

前週に追走して反応を求め、今週は馬なりでリズムを整える。この組み立ては、青葉賞を勝った春にも見られた。4月16日はウッド5ハロン65秒4、ラスト11秒1を強めに追い、翌週22日は6ハロン86秒1、ラスト12秒3を馬なり。その後、青葉賞を勝っている。

今回も最終の数字を派手にするより、前週までの負荷を生かす仕上げと読める。春の青葉賞前とは距離や馬場、相手が違うが、この馬には「最終追いで全体時計を詰めなくても走った」という具体的な例がある。

ダービー前の最終追いは82秒8、ラスト11秒2を馬なりで、今回はそこまで鋭い数字ではない。一方、今回の84秒9だけを見て仕上がりを下げる必要も感じない。私の見立ては、前週に必要な負荷を入れ、順調に整えてきた。当日は3000mで力まず走れるか、前との距離をどこで詰めるかを楽しみにしたい。

土曜3R スリーアイアトラス|武豊騎手が乗った最終追いで内容が変わった

15日のウッドは6ハロン85秒0、ラスト12秒4。外めの[9]を回って稍一杯に追われ、馬なりのボウアンドアローに0秒3先行して同入した。短評も、調整の負荷が物足りないという評価だった。

そこから21日は武豊騎手が騎乗し、6ハロン81秒0、3ハロン37秒3、ラスト12秒1を一杯。エスヴェドラを内から0秒6追走して0秒7先着した。相手も一杯に追われている。

6ハロンは4秒短縮。ただし[9]から[6]へ走路が変わり、騎乗者と追い方も違う。私が評価したいのは短縮幅だけでなく、最終追いでしっかり負荷をかけ、追走から先着まで持っていったことだ。

新馬戦へ向けた最後の刺激として、目を引く内容。最終で強く追った分、当日はその効果と落ち着きを確認したい。今回の11頭では「前週から内容が変わった馬」として注目する。

土曜5R スマートピナクル|馬なり52秒2。中間にも余力のある終い

21日の坂路は52秒2、38秒1、25秒2、12秒7を馬なり。メイショウアンブルを0秒2追走して0秒1先着し、相手は一杯だった。最後の2ハロンは12秒5、12秒7で、終盤まで加速し続けた形ではない。それでも、全体52秒2を馬なりで走り、追走先着した点に価値がある。

8日のウッドも6ハロン83秒2、ラスト11秒4を馬なり。ウォーターリヒトに外で1秒1先行して同入した。オープン馬との併せだが、追走して追いついた内容ではなく、先に出て相手を迎えた内容として評価する。

16日は5ハロン71秒4からラスト11秒1を馬なり。こちらはゆったりした全体から終いを伸ばしている。ウッドで終いを整え、最終の坂路では全体のスピードを出したというつながりがいい。

最終で一杯に追ったスリーアイアトラスと対照的に、この馬は馬なりでの調整内容が魅力。新馬2頭のうち、追い方の余裕を評価するならスマートピナクルを上に取りたい。

土曜6R ダイヤモンド|中1週。実戦を使いながら状態を保つ

今週の短評は、攻めはかるめでも順調というもの。新しい日付付きの時計は掲載されておらず、具体的な最終時計を置かずに調整を捉えたい。

9月19日の阪神ダート1200mで2着、10月12日の京都ダート1200mで5着。今回も実戦を使いながらの調整になる。前走前の10月7日はウッド4ハロン50秒5、ラスト12秒1を一杯で、状態の安定を評価する短評が付いていた。

9月の2着時はウッド4ハロン50秒9、ラスト12秒0を馬なりで、調教量が少なめでも動きは良いという評価だった。今回は新たに強い時計を求めるより、中1週で状態を維持する見方が合う。当日は集中してレースへ入れるかを確認したい。

土曜9R ポッドビート|外から追走先着した前週を評価

15日は美浦ウッド6ハロン83秒2、ラスト12秒0を馬なり。ルークススペイを外から0秒9追走して0秒3先着した。相手も馬なりで、外を回して追走した点が好材料になる。

21日は5ハロン66秒3、3ハロン37秒2、ラスト11秒7を馬なり。前週と計測距離や走路は違うが、終いを整えてスピードを維持した形と読める。

前週の負荷と最終の余力をセットで評価したい一頭。新馬勝ちから次の一戦へ、調整内容は順調と見る。輸送後も落ち着きを保ち、持ち味のスピードをレースで使えるかに注目する。

土曜10R サンタンカ|過去の好走時にも、終いを整える調教

21日は栗東ウッド6ハロン85秒2、3ハロン38秒6、ラスト11秒6を馬なり。14日も5ハロン71秒4、ラスト11秒5を馬なりで、折り合いの良さを評価されていた。

この馬は、最終の全体時計が目立たなくても結果を出してきた。2025年5月の京都1400m未勝利勝ちの前は、ウッド85秒2、ラスト11秒4を馬なり。今年1月の京都1600m勝ちの前は89秒1、ラスト11秒7を馬なりだった。

今年5月の京都1400m・2勝クラス勝ちでは、前週にウッド85秒4、ラスト11秒7を強めに追い、最終は芝5ハロン64秒7を馬なり。毎回同じ形ではないが、全体を極端に速めるより、リズムと終いを整える調整で好走例がある。

今回も全体85秒2を地味と切り捨てず、この馬の調整の範囲で見る。最終の短評も動きの良さを評価。京都1400mへの復帰と合わせ、持ち味を出せる状態にあるか楽しみにしたい。

土曜11R ガイアメンテ|春の都大路S勝ちと似た負荷配分

7日はウッド82秒4を一杯に追い、マジックサンズに0秒8先行して0秒3遅れた。その後15日は81秒6、3ハロン35秒9、ラスト11秒5を一杯。ショウナンガルフを外から0秒6追走して0秒3先着している。

21日の最終は84秒8、3ハロン37秒5、ラスト11秒4を馬なり。今度はショウナンガルフに外で0秒4先行し、直線強めの相手に0秒1先着した。前週は追走して負荷をかけ、最終は先行して余力を残すという役割の違いが明確だ。

春の都大路S勝ちの前も、5月14日にウッド82秒3、ラスト11秒2を一杯。最終の20日は83秒6、ラスト11秒1を馬なりで、併せ馬に先行して先着した。

今回の最終時計は春より遅いが、「前週に一杯、最終は馬なり」という負荷配分は似ている。15日に追走先着できたことも含め、7日の遅れからその後の内容が整ってきたと見たい。私には、得意舞台へ向けて順調に仕上げた一頭と映る。

日曜2R メイショウギフト|終いを促して加速できた

21日は坂路53秒7、38秒6、24秒6、12秒2を末強め。区間は15秒1、14秒0、12秒4、12秒2と加速している。

比較欄の55秒5、40秒1、25秒7、12秒4・馬なりに対し、今回は促した分だけ全体と終いを詰めた。単純な余力比較より、終盤に負荷をかけ、それに応じて加速できた内容を評価したい。

初戦を経験した後の次戦へ、調教から注目度を上げたい一頭。実戦でもスタートから流れに乗り、調教で見せた終盤の反応を使えるかが楽しみだ。

日曜3R シュプレヒコール|同じ外めの走路で、全体の負荷を強化

14日はウッド82秒3、3ハロン37秒0、ラスト11秒3を馬なり。21日は81秒5、36秒6、11秒6を強めに追った。両日とも走路は[9]で、全体を0秒8詰めた点が目を引く。

21日はショウナンアレクサに外で0秒8先行し、一杯の相手に0秒6先着。先に出た利点を踏まえつつ、外めを走って最後まで先着した内容を評価する。

終い1ハロンは前週より0秒3遅いが、3ハロンは0秒4速い。最後の1ハロンだけを速めたのではなく、全体と終盤3ハロンの負荷を上げた調教だ。好気配を保ちながら、実戦へ向けてもう一段負荷を加えたと見たい。

日曜9R ヴァンクライ|前週も最終も追った。負荷の大きさが特徴

15日は武豊騎手でウッド7ハロン97秒3、6ハロン81秒0、ラスト11秒5を一杯。ペンナヴェローチェを内から1秒1追走して0秒3先着した。

21日は坂路52秒4、37秒6、24秒3、12秒0を一杯。区間は14秒8、13秒3、12秒3、12秒0の加速型だ。テラメリタを0秒6追走し、クビ差遅れた。相手は馬なりで、この1本では相手の手応えに余裕があったと読める。

ただ、追走しながら全体52秒4で最後12秒0まで加速した内容は押さえたい。この馬は「前週に追って最終はかるめ」ではなく、2週続けてしっかり負荷をかけた組。当日はその効果が気配に表れ、落ち着いてレースへ入れるかを見る。

日曜10R ギュルヴィ|好走時の坂路調整と比べる

16日のウッドは83秒2、ラスト11秒8を一杯。ベルジュロネットに外で0秒4先行し、0秒7遅れた。相手も一杯だった。最終21日は坂路52秒9、38秒6、25秒1、12秒7を末強めに追い、エイシンルゼンを0秒1追走して同入している。

最終の区間は14秒3、13秒5、12秒4、12秒7。終盤は少し減速したが、全体52秒9をまとめた。8日も坂路52秒9を一杯に追っており、今回は同じ全体時計を末強めで記録した。

5月の丹沢S勝ちの最終追いは坂路52秒6、ラスト12秒6を一杯。今回の52秒9、12秒7は、その好走時から大きく離れた数字ではない。追い方や併せ馬は異なるが、坂路で必要な負荷をかける調整は、この馬の実績ある形といえる。

私の見立ては、負荷を積んで最終の坂路をまとめた一方、16日の遅れも踏まえて当日の反応を見たい。勝った時を大きく上回る仕上がりというより、今回の競馬へ向けて状態を整えた評価だ。

雨が残る場合は、調教の良さと実戦の適性を合わせる

雨が残る場合、調教で速い時計が出たことと、湿った芝やダートで力を出せることは別の確認点になる。新馬2頭は、まず当日の馬場で落ち着いて走れるかを見たい。

実戦では、サンタンカに京都1400mの重馬場4着、ギュルヴィに稍重の東京2100mで2着と1着、ダイヤモンドにも稍重の阪神1200mで2着の経験がある。いずれも今回の馬場や距離と組み合わせて考える材料だ。

ゴーイントゥスカイは、調教面では前週に負荷を入れて整ってきた。雨への評価は当日の芝の回復や走りやすい進路と合わせたい。菊花賞・主要馬の雨馬場適性はこちら。

結論|新馬の変化、古馬の仕上げ、菊花賞のリズム

調教の余力でスマートピナクル、最終追いの変化でスリーアイアトラス。古馬ではガイアメンテの負荷配分、既走の2歳馬ではポッドビート、メイショウギフト、シュプレヒコールに注目したい。

ゴーイントゥスカイは、青葉賞時にも見られた「前週に負荷、最終は馬なり」という流れ。ヴァンクライは反対に、2週続けてしっかり追った。全馬へ同じ時計や同じ仕上げ方を求めず、その馬の中間と実戦をつなげて週末を見たい。