セレクトセール
藤田晋、22億円爆買いの全貌|12頭に隠された「型」
藤田晋オーナーが2日間で落札した12頭・総額22億700万円を全頭解説。血統構成から購買戦略の共通点を読み解きます。
公開記事 / セレクトセール2026特集 第2弾
全12頭の血統から見えた、フォーエバーヤング成功後の購買戦略
まず覚える三行
数字で見る藤田買い
1日目の1歳馬は6頭・10億200万円。すべて牡馬で、5頭が億超え。2日目の当歳馬は6頭・12億500万円。合計は12頭・22億700万円で、今回の購買者ランキング1位となりました。
参戦6年目、22億円を使って「思った通り」。買い手としての経験が、確信へ変わりつつある言葉です。そして億に届かなかった唯一の馬、8,200万円のヴァシリカの2025を、本人が「お買い得だった」と名指ししました。
| 馬名 | 世代 | 父 | 性 | 落札価格 |
|---|---|---|---|---|
| ウェイヴェルアベニューの2026 | 当歳 | キタサンブラック | 牡 | 3億円 |
| ランドオーバーシーの2025 | 1歳 | キタサンブラック | 牡 | 3億円 |
| アーモニーズエンジェルの2026 | 当歳 | イクイノックス | 牝 | 2億5,000万円 |
| キラーグレイシスの2025 | 1歳 | エピファネイア | 牡 | 2億1,000万円 |
| ルースレスデイムの2026 | 当歳 | キズナ | 牡 | 2億1,000万円 |
| キングズハーレクイーンの2026 | 当歳 | イクイノックス | 牡 | 2億円 |
| エイントイージーの2025 | 1歳 | キズナ | 牡 | 1億6,000万円 |
| イーストの2025 | 1歳 | キズナ | 牡 | 1億4,000万円 |
| ダンダラの2026 | 当歳 | イクイノックス | 牝 | 1億3,500万円 |
| マウイワウイの2025 | 1歳 | キタサンブラック | 牡 | 1億1,000万円 |
| ウォークロニクルの2026 | 当歳 | スワーヴリチャード | 牡 | 1億1,000万円 |
| ヴァシリカの2025 | 1歳 | イクイノックス | 牡 | 8,200万円 |
最高額3億円コンビ
ウェイヴェルアベニューの2026
母はBCフィリー&メアスプリントを勝った北米7勝の名牝。半兄グレナディアガーズ、半姉クイーンズウォーク。重賞馬をすでに2頭出した証明済みの母に、キタサンブラックという教科書のような組み合わせです。
ランドオーバーシーの2025
母は米G2フェアグラウンズオークス勝ち、ケンタッキーオークス2着。米ダートのクラシックディスタンスで戦った一流牝系に、日本のトップ血統。フォーエバーヤングと同じ設計思想が見えます。
12頭に共通する「型」
12頭中11頭が輸入繁殖の仔。そこに付けられた父は、キタサンブラック3頭、イクイノックス4頭、キズナ3頭、エピファネイア、スワーヴリチャード。海外G1級の母を、日本のトップサイアーで。これが今回の12頭を貫く型です。
フォーエバーヤングは、米国産の母とリアルスティールの組み合わせから誕生しました。その成功方程式を12回に分けて再現しようとしている。これは本人の発言ではなく、購買リストから見えるひとつの解釈です。
残り10頭を全頭解説
アーモニーズエンジェルの2026
今回のセール牝馬最高額。半兄エンジェルオブエンパイアはアーカンソーダービー勝ち、ケンタッキーダービー3着。現役後の繁殖価値まで見据えた買い方です。
キラーグレイシスの2025
母は米G1ハリウッドスターレットS勝ち。近親には日経新春杯を勝ったゲルチュタールがおり、日本適性も証明されている一族です。
ルースレスデイムの2026
豪G1ロバートサングスターS勝ち馬の初仔。豪州の一流スピードにキズナを組み合わせた、強気で明快な配合です。
キングズハーレクイーンの2026
2日目の上場番号301番。オープニングから2億円で落札し、会場を一気に藤田モードへ変えました。母は仏G3勝ち馬です。
エイントイージーの2025
母は米G2シャンデリアS勝ち。母父Into Mischiefという北米屈指の血にキズナ。芝だけでなくダート路線も意識させます。
イーストの2025
母は仏1000ギニー3着、BCジュヴェナイルフィリーズターフ2着。欧州と北米の双方で結果を出した国際派です。
ダンダラの2026
母はロイヤルアスコットのアルバニーSを含む英G2・2勝。牝馬2頭はいずれもイクイノックス産駒で、将来の繁殖価値も意識した構成に見えます。
マウイワウイの2025
母は愛リステッド勝ちのスプリンター。本馬が初仔。母のスピードとキタサンブラックの持続力がどう噛み合うか注目です。
ウォークロニクルの2026
唯一の内国産母。しかし祖母はクロノロジストで、クロノジェネシスとノームコアの一族。内国産で1頭だけ選ぶならこの血統、という説得力があります。
ヴァシリカの2025
母は北米18勝、G1・2勝、BCフィリー&メアターフ2着。藤田オーナー自身が「お買い得」と挙げた、12頭中唯一の億未満。今回のベストバイ候補です。
3つの問い
問い1 なぜ牡馬ばかりなのか
12頭中10頭が牡馬。現役で牡馬クラシックや海外ダートを狙う攻めの購買です。一方、牝馬2頭はいずれもイクイノックス産駒。走らせた先の繁殖まで見据えた、攻めと資産形成の両輪に見えます。
問い2 22億円は高い買い物なのか
フォーエバーヤング級の当たりが出れば、大きな賞金と種牡馬価値が生まれる世界です。「読めるようになってきた」と語る参戦6年目。単なる爆買いではなく、再現性を追うポートフォリオとして見ることができます。
問い3 フォーエバーヤングは有馬記念へ来るのか
藤田オーナーは、米国2戦の結果を見て有馬記念を考えたいと発言。ジョッキークラブゴールドC、BCクラシックを経て中山へ来れば、キャリア初芝、デビュー以来のJRA出走。年末の最大級の話題になります。
まとめ
3億円の2頭、牝馬最高額、唯一の内国産、そして本人がベストバイに挙げた8,200万円。12頭はバラバラに見えて、実はひとつの型でつながっています。個人的な注目はヴァシリカの2025。皆さんが一番走りそうだと思う馬はどの馬でしょうか。
価格はJRHAセレクトセール2026公式結果をもとにした税別表記。購買戦略に関する「型」「分散投資」「ポートフォリオ」は、落札馬の血統構成から行った筆者の解釈です。
最新コメント
ユーザーの声